ハンディクラフト事業では、山岳部に住む少数民族の伝統文化である刺繍や模様などの入った素材をペンケースやポーチ・バックなど身近に使えるものへと加工し、それらをワークキャンプなどでセンターに訪れた方々や郵送にて各種団体・学校などへ販売しています。
各種団体や学校では、さらに地域のバザーやイベントなどを通じてハンディクラフトの販売およびパヤオセンターの活動の広報なども行ってくださっています。
そもそも、なぜパヤオセンターではこのような事業を行っているのでしょうか。その目的は、大きく分けて3つあります。
それは、「事業運営資金調達」「少数民族の伝統文化の保護」「雇用の創出と経済的自立支援」です。
概要と目的

01 事業運営資金調達
利益は、ハンディクラフト事業をはじめ、センターで行われている様々な事業の運営資金となります。
センターの特質上、利益をあげることのできる事業は限られていますので、貴重な資金調達源のひとつとなっています。

02 少数民族の伝統文化の保護
少数民族は、それぞれの民族や部族ごとにとても素晴らしい伝統文化を持っています。
ですが悲しいことに、現在それらは少しずつ失われてきています。
そうなってしまった背景にはいろいろなものありますが、そのひとつとして現在の社会の中で伝統文化に価値を見いだせなくなってしまったことがあげられます。
現代社会では何をするにもお金が必要です。彼らの現在の主な収入源は農業や養豚・養鶏などですが、これらにはかなりの時間的な拘束を受けますし、肉体労働なので当然疲労もします。一生懸命働いても、得られる賃金は生きていくのに最低限必要な分を賄えるかどうかといった程度です。
そうした中で伝統の文化や習慣というのは、誰にも見てもらえませんし、当然そのままではお金にもなりません。
世代を超えて何代も受け継がれてきた文化の中に見出していた誇りやアイデンティティは、生きていくために捨てざるを得ない状況があるのです。特に手間や時間の掛かるものは、なおさらです。
そこで私たちは、伝統文化である刺繍などを対価を払って買い取り、さらにその素晴らしさを多くの人たちへ伝えていくことによって、彼らの伝統文化を守るお手伝いをしています。
支援を行っている村では、訪問するたびに親子一緒に作業をしていたりと、しっかりその伝統は引き継がれている様子でした。
03 雇用の創出と経済的自立支援
私たちが活動を行っているパヤオ県には主だった産業がなく、市街地から離れた地域では仕事を探すのが困難です。
中には小さな商店や食堂を経営している人もいますが、大多数の人は農業により生計を立てています。すべての人が自分の畑を持っているわけではなく、土地を借りていたり日雇いで働いていたりする人たちもたくさんいます。また農業は気候の影響を受けやすく、全ての人が安定して十分な賃金を得ることは難しいのが現状です。
そのような問題を受けて、私たちはこの事業の2つの過程において雇用を創出しました。
1つは少数民族の村人たちへの伝統文化によるクラフトの元となる素材の制作の依頼、もう1つはそれらを商品へと加工する過程での縫製作業です。
どちらも女性が中心に、積極的に参加をしてくれています。
センターの子どもたちも参加!!
子どもたちにはセンターから生活に最低限必要なお金は支給されていますが、それ以外に放課後や休日の時間を使って何かお手伝いをするとお小遣いがもらえる制度があります。これは、お金の管理能力など子どもたちの自立心を育てるための取り組みのひとつです。
そのお手伝いの内容のひとつとして刺繍、商品のラッピング(必要に応じて)も一部子どもたちによって行われています。
子どもたちはお手伝いで貰ったお小遣いを使ってお菓子やジュースを買ったり、家族に電話をしたりしています。中にはお金をコツコツと貯めて、帰省した時に家族のために使っているような子もいます。